1月19日(月)、茶道部では新年最初の行事として「初釜」が行われました。
初釜とは、茶道において一年の始まりを祝う大切な儀式で、茶室に釜を掛け、湯を沸かすことから始まります。千利休の時代から続く習わしで、師弟や仲間と新春を寿ぎ、一年の精進を誓う場として長く受け継がれてきました。茶道で大切にされる「節目」の心を象徴する行事でもあります。
今回の初釜では、先生のお点前を拝見しながら学びました。一つひとつの所作が丁寧かつ洗練されており、部員たちは袱紗さばきや茶杓の扱いなど、細かな動きに込められた心を見逃すまいと真剣なまなざしを向けていました。

主菓子には、初釜の定番である「花びら餅」をいただきました。
皆さんは「花びら餅」を召し上がったことがあるでしょうか。見た目はとても可愛らしいお菓子ですが、どんな味なのか想像しにくい…という方もいらっしゃるかもしれません。そこで今回は、初めて花びら餅をいただいた部員に感想を聞いてみました!頑張って食レポしてくれたので、ぜひ味のイメージを思い浮かべてみてくださいね。
「柔らかくて、もちもちしていて美味しい!味噌あんのやさしい甘さにほっとしました。」
「ごぼうが入っているとは思わず驚きましたが、とても食べやすかったです!」
花びら餅は、白い求肥にほんのり紅を差し、中央に味噌あんと柔らかなごぼうを挟んだ、新年を祝う上品なお菓子です。平安時代の宮中行事「歯固め」を由来とし、長寿と健康を願う意味が込められています。
初釜の席では、先生が「実は花びら餅は、宮中でいただかれていた雑煮が原型なんですよ」と、由来についてのお話もしてくださいました。
昔の宮中では、ごぼうや味噌を使った雑煮が行事食として大切にされており、その形や意味が和菓子として受け継がれ、今の花びら餅の姿になったのだそうです。部員たちは「なるほど、だからごぼうが入っているんだ!」と納得したようにうなずきながら、味の背景にある歴史にも興味を深めていました。
茶道の席では床の間に掛けられた掛け軸に心を向けることも大切です。その一幅には、亭主がその日の思いや場に込めた願いが託されています。

今回の初釜では、「日ゞ是好日(にちにちこれこうじつ)」という言葉が掛けられていました。
「日ゞ是好日」——「どんな一日も、かけがえのない良い日である」という意味を持つ禅語です。誰にでも、嬉しい日もあれば悲しい日もあり、ときには思うようにいかず苦しい日もあります。しかし、そのすべての積み重ねが自分をつくり、前へ進む力になるのだとやさしく教えてくれる言葉です。その温かな意味合いにふれると、どんな日も自分にとって大切な一歩だと感じ、日々を丁寧に重ねていきたいと思わされます。
部員たちも掛け軸を見つめながら、この言葉を胸に、それぞれの一年を丁寧に歩んでいこうと気持ちを整えている様子でした。初釜で一年の始まりを丁寧に迎えたように、学校生活や日々の中にも小さな“節目”があります。その節目に心を向けることで、気持ちを整え、次の一歩へ踏み出す力になります。竹が節を重ねてまっすぐに伸びていくように、一つひとつの節目を大切にしながら成長していきたいものです。この初釜を新しいスタートとして、茶道の精神「和敬清寂」を大切に、これからも心を込めてお点前に励み、日々の学びを深めてまいります。本年もどうぞよろしくお願いいたします。