ニュースリリース

令和6年度入学式校長式辞

今日の晴れの日を待ち望んでいたかのように、笹目川沿いの桜の樹々が、花びらを揺らしております。

この春の佳き日に、さいたま市教育委員会委員 伊藤 華英(いとう はなえ)様、本校PTA会長 山﨑 栄慈(やまざき えいじ)様、本校教育後援会・振興会会長 伊藤 睦子(いとう むつこ)様をはじめ、新入生の保護者の皆様方の御臨席を賜り、令和6年度、さいたま市立浦和南高等学校 第62回入学式を挙行できますことは、本校にとりまして大きな喜びでございます。

ただ今、入学を許可いたしました320名の新入生の皆さん、入学おめでとうございます。教職員、在校生一同、皆さんを心から歓迎いたします。

本校は、昭和38年に開校して以来、今年で62年目を迎えます。この間、地域の大きな期待を担いながら、社会の様々な分野に、多くの人材を輩出してまいりました。まさに、浦和の地域に愛され、地域とともに歩んできた伝統校であります。

本校には、「南高生の誇り十箇条」という素晴らしい座右の銘があります。

一、我らは良いことと悪いことが見分けられる

二、我らは勇気がある

三、我らは頑張りがきく

四、我らは体を大切にする

五、我らは時間の利用ができる

六、我らは思いやりの心を持つ

七、我らは礼儀を身につける

八、我らは責任を重んずる

九、我らは他人とのつきあいがなめらかである

十、我らは日本を忘れない

新入生の皆さん、「南高生の誇り十箇条」を胸に刻み、「文武自考」に取り組んでください。

「文武」、つまり学習と部活動など全ての教育活動において、「自考」、自ら考え、習得した知識を活用し、問題や課題を解決する方法を考え、自分なりの解決策を見出すトレーニングをしてください。

本校は、平成25年度入学生から進学重視型単位制高等学校に移行し、平成29年度からは55分授業の導入及び「年8回程度の土曜授業」を実施により、週34単位の授業時間を確保し、学力向上と進路希望の実現に力を入れています。学校行事では、体育祭、文化祭、2年次にはオーストラリアへの「海外研修旅行」など、感動的な体験ができます。部活動では、全国制覇6回を誇るサッカー部をはじめ、運動部・文化部あわせて32の部活動が活発に活動しています。

皆さんには、3年間の高校生活でしかできない、様々なことに挑戦してください。様々な方面で挑戦をしてもらいたいと考えていますが、すべての挑戦が成功とはいきません。挑戦には失敗も伴います。失敗自体に意味があります。

「失敗を恐れずに何事にもチャレンジしよう」というのは、よく言われますが、それと同時に、失敗から立ち直る力、回復する力、つまり「レジリエンス」を皆さんには身につけてほしいと思います。そのために、心にとめてほしいことを、私から4つお話します。

一つ、成果が現れなかったときは、「自分に才能がなかったからではなく、自分の努力が足りなかったからだ」と反省し、再び立ち上がること。「努力に勝る天才なし」という言葉があります。粘り強く努力した結果、才能が開花するのです。自分の可能性を信じて努力を続けてください。

二つ、失敗したことを悩んだり、悔やんだりしても、結果それ自体は何も変わりません。それは、やらなくてもよいことです。限られた時間の中で、やらなければならないことは、次に備えて改善策を模索すること。いち早く気持ちを切り替えて、前に進むことです。

三つ、家や学校、研修先で叱られたときには、叱ってくれている人の思いを汲み取ること。あなた方の成長を期待しての叱責です。また、叱られることで、心が鍛えられ、「折れない心」がつくられるのです。

四つ、失敗しても、他人のせいにせずに、自分自身にしっかりと目を向け、自己と向き合って考えること。他人のせいにした瞬間に自分ごとではなくなります。世界のなかでたった一人の自分を育てる責任者は、あなた自身です。もう一人の自分と対話し、失敗から学んでください。

言うまでもなく、高校は義務教育ではありません。皆さん自身が選択した学校です。皆さん自ら希望し、学ぶ決意をした本校への入学を持って、浦和南高校の生徒として負わなければならない責任が生じています。

本校では、大学進学を高校卒業後の進路の核に据えておりますが、大学のその先にある『プロフェッショナル』を常に意識し、高校三年間で、社会人として必要な様々な資質も含めて、皆さん一人一人を、解のない課題に立ち向かう、勇気ある「文武自考」のできる人に育てる事が責務であると考えております。

御参列の保護者の皆様、お子様の御入学、誠におめでとうございます。心からお祝い申し上げます。

教育は学校、家庭、地域が一体となってお子様一人一人を育むことが大切でございます。私達教職員は、お子様が、自らの生きる道を、自ら切り開いていけるよう、全力を尽くして参りますが、お子様の健全な成長のためには、学校、家庭、地域がそれぞれの役割を果たしながら、協力していくことが重要でございます。是非とも本校の教育方針を御理解いただき、御支援御協力を賜りますよう、お願い申し上げます。

結びに、本日御臨席を賜りました皆様に改めて御礼申し上げますとともに、新入生の皆さんの高校生活が充実したものとなることを祈念いたしまして、式辞といたします。

           令和6年4月8日  さいたま市立浦和南高等学校長 相坂 賢将