令和6年度 第60回卒業証書授与式
本日、第60回卒業証書授与式を執り行いました。310名の卒業生が新たな道へ歩み出していきました。これまでご支援・ご協力いただいた皆様、誠にありがとうございました。心より感謝申し上げます。
校長式辞
暖かさと寒さが交互に行き会いながら、校内の木々にも春の訪れが感じられてまいりました今日のよき日に、さいたま市教育委員会教育長 竹居 秀子 様、市長公室長 石井 幸人 様、本校PTA会長 山﨑 栄慈 様、をはじめ、御来賓の皆様、保護者の皆様方の御臨席を賜り、「第60回卒業証書授与式」を挙行できますことは、卒業生はもとより、私たち教職員にとりましても、この上ない喜びでございます。
ただ今、卒業証書を授与いたしました310名の卒業生の皆さん、卒業おめでとうございます。心からお祝い申し上げます。卒業生の皆さんは本日、浦和南高等学校からそれぞれの夢と希望を持って、新たな道へ歩み出していきます。本校で過ごした3年間の月日を振り返ってみると、様々なことがありました。
高校1年生の4月、本校に入学された皆さんは、新型コロナウイルス感染症が収束せず、様々な制限がある中、感染防止対をとりながら高校生活を送られたことでしょう。
高校2年生の5月、新型コロナが5類感染症となり、インフルエンザ等と同じ扱いとなりました。その年の11月に、オーストラリアへの海外研修旅行を実施することができました。
高校3年生、最強の上級生として、体育祭や南高祭で活躍された皆さんの姿や、進路実現に向けて勉強に取り組む姿など、様々な場面で活躍された皆さんの姿が浮かんできます。
これから新しい環境にはばたく卒業生の皆さんに、3つの言葉を送ります。
まず、1つ目は、
「君たちはどう生きるか」
「未来を信じること」
この言葉は、2013年の「引退宣言」を撤回し、10年ぶりの長編アニメーションで2度目のアメリカ映画界で、アカデミー賞に輝いた宮崎 駿監督のメッセージです。スタジオジブリ作品として、2023年7月、前作の『風立ちぬ』から、10年ぶりの宮崎 駿監督作品『君たちはどう生きるか』が公開されました。
現実の世界は、暗いニュースばかりだ。その「悪意のある世界」の中でも、ポジティブでいること、明るい未来を信じること。これこそが宮崎 駿監督が子どもたちに対するメッセージである、と発表されています。
現在、世界では大きな戦争が続いています。新型コロナウイルス感染症は減少してきましたが、ライフスタイルは、コロナ禍前と大きく変化してきました。また、AIを代表するコンピュータの発展は、人間の職業に大きな変化を与えています。変化の大きな時代であるからこそ、生き抜くための力を身に付けてください。
2つ目の言葉は、
「The riskiest thing is to take no risks.」
「人生最大のリスクは、リスクを冒さないことだ。」
この言葉は、Facebookの創業者で、現在Meta社である、マーク・ザッカーバーグのハーバード大学でのスピーチの一部です。彼が大学在学中に立ち上げた Facebookは、今や世界的な大企業となりました。皆さんにとって身近な Instagramも、彼の創業した企業が発信するプラットフォームの1つです。
リスクを恐れて何もしなければ、せっかくのチャンスまで失ってしまいます。成功を引き寄せるためには、リスクを恐れず挑戦することが大事という訳です。新しい環境や未知の分野に踏み出す卒業生の皆さん、これから先の新しい環境で、ぜひ勇気を持ってチャレンジしてください。
3つ目の言葉は、
「視野を広げ、視点を世界に求める」
「日本のサッカー界に何らかの形で貢献できる人材になる」
この言葉は、昭和38年4月、浦和市立南高等学校創立と同時に赴任され、サッカー部監督を務められました、松本 暁司先生の教えになります。創部4年目、昭和41年に国体で優勝し、日本一になります。創部7年目、昭和44年にはインターハイ・国体・高校選手権大会を制覇して、史上初の3冠という偉業を達成されました。昭和50年・51年には、高校選手権大会2連覇を達成されました。松本 暁司先生の教えを引き継がれ、活躍されている本校卒業生には、現日本サッカー協会名慮会長の田嶋 幸三様、本校サッカー部監督の野崎 正治先生の他、数多くいます。
卒業生の皆さんはサッカー部ではない卒業生も多数いますので、サッカー界という言葉をはずせば、
「視野を広げ、視点を世界に求める。」
「日本に何らかの形で貢献できる人材になる。」
と置き換えれば、卒業生の皆さんへのメッセージになります。
ぜひ、これらの言葉を忘れず、着実に歩んでいってください。卒業生の皆さんには、将来、「南十字星」のように光り輝く人材になってほしい、それが全職員の願いです。南高生としてさらなる活躍に期待しています。
卒業生の保護者の皆様、お子様のご卒業、心からお祝い申し上げます。皆様には本校の教育活動に対し、温かい御理解とお力添えをいただきましたことに厚く御礼申し上げます。
卒業生の皆さんの、これからの大きな活躍を心から願い、式辞といたします。
令和7年3月15日 さいたま市立浦和南高等学校長 相坂 賢将