令和7年度 第2学期終業式校長講話
本日、終業式を行い、令和7年度2学期を終えることができました。保護者・地域の皆様をはじめ多くの方々に、本校の教育活動の御支援・御協力を賜りありがとうございました。
第2学期終業式 校長講話
今日で第2学期が終了し、明日から冬休みに入ります。2学期を振り返り、これから冬休みを迎えるにあたり、皆さんに4つお話ししたいと思います。
まず一つ目は、10月29日(水)に、半年前から日程を調整してご講演を依頼し、元埼玉県警察本部 刑事部捜査第一課の警部補、また、数多くのテレビ番組のコメンテーターとして出演されている、佐々木 成三様に『情報モラル教室』を行っていただきました。
ご講演の中で、令和5年度のSNSが絡む事件の被害児童指数では、中学生が高校生を抜いて1番多く、小学生・中学生に増加傾向であること。スマホやネットの犯罪に巻き込まれないためには、「情報を見極める情報モラルを身に付ける。他人の意思に流されない自分を作る。思考力0で行動しない。常に考える。」とご経験からのお話がありました。また、「正しい知る力を身に付ける。まずは疑うことから始める。誰が話しているのか。その情報を確認することが大切。」とご指導いただきました。
この講演で、すべての南高生が、SNS等による事件やトラブルに巻き込まれないよう、改めて考えて欲しいと思います。
また、12月10日に世界で初めて、16歳未満の子どもにSNS利用を制限する法律が、オーストラリアで施行されたと報道がありました。理由は、子どもがSNSで事件に巻き込まれたり、いじめに遭ったりして社会問題化したことが立法の背景にあり、オーストラリアの取り組みに日本や欧米でも関心が高まっているようです。
2つ目に、11月24日(月)から4泊6日間で、2年次オーストラリア海外研修旅行に、A団の責任者として引率しました。海外研修旅行は南高最大の学校行事であり、皆さんも入学前から楽しみにしていた行事だと思います。海外研修旅行には「異文化体験」もあり、「まわりが外国人ばかり」「日本語が通じない」という体験ができます。自身の英語力をさらに伸ばす、絶好の機会でもあります。
昨年度は、ブリスベン・ゴールドコーストに行きました。ブリスベンは、オーストラリア第三の都市であり、2032年ブリスベンオリンピック・パラリンピックの開催都市として注目されています。ゴールドコーストは、オーストラリア最大の観光保養地として世界的に有名な都市です。昨年11月末は、オーストラリアの高校生卒業記念イベント(通称スクーリーズ)の一環で、ゴールドコースト、特にサーファーズパラダイスを中心に若者が大挙していました。
今年度は、ケアンズに行きました。ケアンズは、グレートバリアリーフ、およびクイーンズランドの湿潤熱帯地域という海山両方の世界遺産があり、クイーンズランド州の中でも、主な観光拠点となっています。ファームステイしたアサートン高原は、見渡す限りの大草原が広がっていました。広大な牧場でファームステイを経験することができました。
どちらも、素晴らしい海外研修旅行でしたが、来年度の新2年生はケアンズに行きます。楽しみに準備をしてください。
この海外研修旅行をきっかけに、さらに英語の学習に熱心に取り組んでください。そして、大学受験を突破し、社会人となって世界に飛躍できる人材に成長してほしいと念願します。南高生には将来、「南十字星」のように光り輝く人材になってほしい、それが校長としての願いです。
3つ目は、9月16日(火)世界陸上競技選手権東京大会が国立競技場で行われました。男子110Mハードルの村竹ラシッド選手は、昨年夏のパリオリンピック5位に続いて決勝に進出。男子110Mハードルで日本人初の12秒台、12秒92という驚異的な自己ベストを持ち、世界記録12秒80にわずか0.12秒と迫る存在として、東京世界陸上の決勝スタートラインに立ちました。
自国開催の大舞台のファイナルを力走し、13秒18で5位に入りましたが、直後のテレビインタビューでは、人目もはばからず号泣。メダルを目指して全力で打ち込んできたからこそ、思わず感情があふれ出た場面がありました。インタビュー質問に対してのコメントを紹介します。
「何が足りなかったんだろうなって。何が今まで間違ってたんだろうなって。ちょっとパリ終わってからの1年間、本気でメダル取りに1年間必死に練習して、本当に何が足りなかったんだろうなって。すいません。」
村竹ラシッド選手は、目標としていたメダル獲得は叶いませんでしたが、目標に向けてここまでやり切る姿を見せてくれたと思います。目標に向けてやり切ったからこその言葉なのかなと。次の世界大会で、メダルに手が届くのではと期待しています。
最後に、来年1月17日、18日は大学入学共通テストです。浦和南高校の3年生は、就職・専門学校希望者以外は、全員が出願しています。よく「受験は団体戦」といわれます。その一方で、「受験は個人戦」という声も聞きます。「なるほど」と思った言葉を紹介します。
怠ける者は不満を言うが、努力するものは目標を語る。
受験は個人戦。だが、受験勉強は団体戦。
一人ひとりの心が強くなり、チームの絆が深まったとき、
サクラ咲く日はやってくる。
信じて、ラストスパート。
私たち先生方にできることは、南高生に「負けない方程式」をたててあげることしかできません。実は、部活動などを通して、この「負けない方程式」のトレーニングをしているのです。どうしたら試合に勝てるのか、どうしたら素晴らしい演技ができるのかなどを通して、「負けない方程式」の組み立て方のトレーニングをしていると思います。
大学入学共通テストまであと23日。受験で通用する学力は、3か月後に自分の実力になります。この夏の頑張りは、3か月後の今、やっと成果が出始めたころです。現役生は、まだまだ入試学力が伸びます。
「受験は個人戦。だが、受験勉強は団体戦」。学校で仲間と乗り越えていきましょう。辛いのは自分一人ではありません。最後まで全力を尽くし、乗り切ってください。
明日から、冬休みに入りますが、どうか事故のないよう注意して、3学期に元気な顔を見せて下さい。
南高生の皆さん
将来の夢を持ち続けましょう。
そして夢を語りましょう。夢を実現させる1歩となります。
常に志高く。 以上