ニュースリリース

【校長ブログ】「受験は個人戦。だが、受験勉強は団体戦。」

 私は、始業前に各教室をまわるのが習慣になっています。3年生のある教室に「みんなで過ごす日にち 残り17日」と黒板に書いてあるのを見て感動しました。浦和南高校では第2学期終業式でした。生徒会認証式、表彰式、バトン部の全国大会、卓球部の関東大会出場の壮行会を行い、その後、終業式でした。終業式の校長講話の内容を紹介します。

 「勝ちに不思議の勝ちあり、負けに不思議の負けなし」という言葉があります。

 プロ野球で南海、ヤクルト、阪神、楽天で監督をし、2020年2月に84歳でなくなった野村克也監督の名言と言われています。しかし原典は、18世紀に現在の長崎県の平戸藩主であった松浦静山(1760~1841)の言葉と言われています。負けるときは、負けにつながる必然的な要因があるが、どうして勝ったのかどうも思い当たらないという不思議な勝ちがあるということです。

 3年生の一般受験者は、大学入試直前です。浦和南高等学校では、1月15日、16日の大学入学共通テストには304名、3年生の95.3%が出願をしています。学校推薦型選抜や総合型選抜で進学先が決まったものもいるでしょう。「人生の勝負はまだまだです」。だから、あえて言う。3年生、勝負から逃げるな。学校から逃げるな。入試にしても、就職にしても、社会人になってからも、人生は「勝負」の連続です。勝負ごとで勝利を獲得するためには、負けない戦略をたて、負けない努力をし、そこに時の運が加わった結果、「成功」を手に入れることができます。  

 負けない方程式をつくることです。絶対に勝てる戦略というものはありません。しかし、「これをやったらほぼ確実に失敗する」ことはあります。これは、古今東西の歴史が物語っています。現役受験生の「ほぼ失敗する」パターンは、学校に行かず自分一人だけで勉強することです。“不安”という病に覆いつくされてしまいます。では、どのように乗り越えたらよいのでしょうか。

 よく「受験は団体戦」といわれます。その一方で、「受験は個人戦」という声も聞きます。どちらが正しいのでしょうか。私は、入学試験は、人生において最も公正公平な試験だと思っています。ある高校受験向けの学習塾を訪問した時に、「なるほど」と思った言葉を紹介します。

 怠ける者は不満を言うが、努力するものは目標を語る

 受験は個人戦。だが、受験勉強は団体戦。

 一人ひとりの心が強くなり、チームの絆が深まったとき、

 サクラ咲く日はやってくる

 信じて、ラストスパート。

 「受験は個人戦。だが、受験勉強は団体戦」。学校で仲間と乗り越えていきましょう。

 私たち教員にできることは、①負けない戦略をたててあげることしかできません。実は、皆さんは日頃から部活動などを通してこの「負けない方程式」のトレーニングをしているのです。例えば、サッカー部。今年は全国選手権に出場できずに残念でした。しかし、負けない戦略を組み立て、他に負けない努力をしましたが、時の運がなく、県大会決勝戦で西武台高校に敗れました。女子バスケットボール部も頂点を目指して頑張りましたが、昌平高校が立ちはだかりました。自分なりの負けない方程式を実践し、時の運がなく敗れたとしたら、スッキリとした達成感が次への活力になります。

 大学入試では負けない戦略を立てることが大切です。合格者の最低点はほとんど変動しない。300点満点であれば、7割とれば合格できます。私も大学受験の時に、英語6割、国語6割、日本史9割の戦略を立てて大学入試に臨みました。

 精神科医の和田秀樹さんは、「学力は冬に伸びる。冬は春の8倍も勉強が進む」と言っています。春先の迷い勉強よりも12月の勉強は英語・数学の処理速度は2倍。12月、1月の勉強は志願先が絞り込まれ効率は2倍。受験直前で春先よりも12月は集中でき効率は2倍。

 「勝ちに不思議の勝ちあり、負けに不思議の負けなし」

 南高生の皆さん

 元気に挨拶してますか。

 他人に優しくしてますか。

 夢を諦めていませんか。

 志高く。

 元気に1月7日に会いましょう。