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【校長ブログ】リフレーミング

1月7日、浦和南高校は第3学期始業式でした。昨日の積雪でグラウンドも一面の雪景色です。大掃除の後、オンラインでの始業式です。オミクロン株の急拡大が懸念されていますが、全校生徒が一堂に会しての学校行事は当面は難しいと改めて思いました。始業式に先立ち、吹奏楽部の表彰、卓球部の関東大会報告がありました。始業式の校長講話の内容を紹介します。

 皆さん、新年あけましておめでとうございます。令和4年が幕をあけました。

 この年末年始、浦和南高校の皆さんは、いろいろなところで活躍をしていました。皆さんはどのように過ごしましたか。ある人は部活動、ある人は学習活動、ある人はボランティア活動。1月2日にTBSで放映された綾瀬はるか主演のドラマ「義母と娘のブルース」では、エンディングのクレジットの協力の場面で、浦和南高校の名前が掲載されました。エキストラのボランティア活動に参加した生徒諸君に感謝します。映像作品は、出演者、制作スタッフなど多くの人々の支えで成り立っています。ほんの数秒のシーンに半日の撮影時間をかけています。何事も本番のために、多くの準備を費やしています。テレビドラマの制作現場を垣間見ただけでも、知らなかった世界が知っている世界に変わります。

 さて、この写真を見てください。喉が渇いたあなたの前に水が半分入ったコップがあります。「もう半分しかない」と考えますか?「まだ半分もあると考えますか?」

 「水が半分しか入っていない」という表現をすると、「不足している状態だ」という枠組みになり、行き詰ったネガティブな感情を持ってしまいます。一方視点を変えて、「水が半分も入っている」という表現をすることにより、「十分な状態だ」という枠組みで捉えることもできます。

 一般的に「自尊心」は、自分をプラスに評価する感覚として知られています。社会心理学者のロイ・バウマイスター(Roy F. Baumeister)豪クイーンズランド大学教授(1953~)は、1998年に自尊心を「自己への肯定的評価」 と定義しています。

 自尊心が低い人の特徴は、

・つい他者と、自分を比べてしまう

・他人をうらやましく思ってしまう

・物事のデメリットばかりに目がいく

・自分の欠点ばかりをとらえてしまう

・他者の悪い部分に目が向いてしまう

 これらの特徴を見て、「なんとなく当てはまる」「まさに自分のことだ」、あるいは「こんなふうになることもある」と感じたでしょうか。自分の悪い面ばかりを気にしても、何もいいことはありません。いつもとは異なる視点から自分を眺めてみましょう。

 今日は、「リフレーミング」の考え方をお話ししましょう。リフレーミング(Reframing)とは、心理カウンセリングで使用される方法の一つです。その人が持っている枠組み(フレーム)を変えることを指します。行き詰った状態、ネガティブな事柄を、満足な状態、ポジティブな状態に枠組みを変えることで、意識や行動を変えていくことができます。

 物事は、足りていないと考えるか、足りているかの2種類の考え方があります。学校の先生の多くは、「これがダメだ」「あれが足りない」と言いたがります。つまり、「足りていない」と考えるパターンが圧倒的です。しかし、今年も箱根駅伝で総合優勝した青山学院大学陸上競技部の 原 普 監督は「足りている」という立場でのほめて伸ばすアドバイスです。駅伝中の監督車両からの選手への声掛けの内容が他の大学と違います。ここは、私たち浦和南高校の先生方も大いに参考にしなければいけないところだと思います。ただし、自尊心と自分の言動に無責任・向上への放棄を意味する「甘え」は全く異なりまので要注意です。自分自身に甘い人間は自己コントロールができません。

 普段の生活において、同じ現象・事柄でも、人によって捉え方が違うものです。「あと1ヶ月しかないからもう目標達成できない」と捉えるのではなく、「まだ1ヶ月もあるから、目標達成の可能性がある!」と捉えることで、目標達成の可能性は向上します。「10人のうち、2人しか賛同してくれなかった」と捉えるのではなく、「10人のうち、2人も賛同してくれた!」と捉えることで、今後のアプローチも変わってくるかもしれません。「プロジェクトが失敗してしまったから自分は力が無いんだ」と捉えるのではなく、「プロジェクトは失敗したけど良い勉強の機会を自分は経験できた!」と捉えた方が、将来その人は間違いなく成長するはずです。捉え方が変われば、上手くいく可能性が上がり、成長の機会が増加します。

 3年生は大学入学共通テストまで、まだ8日あります。志望校合格を祈っています。

 最後に新型コロナウイルスの感染拡大への注意です。ここ数日で、全国の感染者が急増しています。浦和南高校の感染防止対策を今一度、生徒も先生方の確認をしてください。

1 毎日の健康観察の徹底  毎朝Classiへの健康監査委報告の習慣化

2 マスク(不織布マスク推奨)の常時着用

3 教室内換気(換気扇の常時運転+廊下側の欄間の常時開放)

4 37度以上の発熱があった場合は、解熱後3日間は自宅でオンライン学習