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【校長ブログ】口は一つなのに耳は二つあるのはどうして…?

 以前先輩に、「なぜ私たち人間には口は一つ、耳は二つあるのだと思う?」と聞かれたことがあります。私は、疑問に思ったり、考えたりしたこともありませんでした。口は「食べ物を食べるところ」「人と話す言葉を出すところ」などですが、耳は「人の話や物音を聞くところ」ぐらいしか浮かびません。先輩からは「耳が二つあるのは、口の二倍必要だから。つまり、話すことの二倍聞きなさいということ。」そのようなことを教えてもらったことがあります。「人の話をろくに聞きもしないで、自分の主張ばかりしてはいけない。ついつい、自分の意見を先に分かってもらいたくなるけれども、そのような時こそ、口と耳の数を思い出してみよう。」というものです。そして、素晴らしい言葉を教えてもらいました。

 「口は一つ、耳は二つ。されば、言うことを少なくして、多く聞くことよかりけり」

 一般的に教えられるコミュニケーション能力を高める方法は、「正しい話し方」や「話術のテクニック」などの話す能力のことばかりが多く語られているかもしれません。コミュニケーション能力を高めるのであれば、まず人の話を聞く。この聞く力を高めるべきではないでしょうか。上手にコミュニケーションをおこなうための非常に的を得た言葉だと私は思います。

 まず「聞く」「聴く」ことなのです。「聞く」は、音・声を耳に感じること。「聴く」は傾聴という言葉が示すように、耳を傾けて熱心に聞くことです。「聴く」は、心を込めて二つの耳をしっかりと相手に近づけること、そのことが、相手の話しや相手の子ことを感じることにつながります。自分が話して得られることよりも、話を真剣に聞くことによって、得られ学べることの方がはるかに多く、自身の知識や考え方の引き出しが幅広く増えていくのだと思います。

 米国のデール・カーネギーは、「人の話を聴くことで、人生の80%は成功する!」と言っています。相手を優先する、相手を気持ちよくさせることが成功の秘訣なのでしょう。デール・カーネギーは、次の6つの心得を守れば良いコミュニケーションを身につけることができると言っています。

1.相手の話には熱心に耳を傾ける。

2.相手の話に口をはさまない。

3.初対面の人の名前はすぐ覚えて、 できるだけ使う。

4.もし相手の言い分が間違っていても、 そっけなくやりこめるのはよくない。

5.自分のほうが偉いといった態度を見せない。

6.自分の考えが間違っていれば、 素直にあやまる。

 私もまだまだ修行中。「二つ聞いて、一つ話す」を心掛けていかなければと思っています。