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【校長ブログ】奨学金最新事情

 3月も中旬になりました。入試シーズンから4月の入学準備の季節になります。浦和南高校でも3月18日は入学許可候補者説明会です。高校も大学も義務教育ではないので、入学金や授業料などお金がかかる季節でもあります。学生向けの奨学金の最新事情について調べてみました。奨学金をとりまく環境が少しずつ変わってきています。

【国の奨学金は世帯年収の制限が厳しい】

 国の奨学金(日本学生支援機構)は返済不要のものとして、2018年度から給付型の奨学金を始めたのですが、課題もあります。給付対象が現時点だと世帯年収が約300万円以下の方の世帯の方。奨学金を実は一番利用されるのは世帯年収が400万から800万の中間世帯です。この世帯の方へのサポートが、これから間違いなく必要になってくると思います。全国の大学生協が行ったアンケートによると、2020年度に給付型の奨学金を利用したのは全体のおよそ10%、貸与型、または貸与型と給付型の併用が50%、残り40%は奨学金を利用していない人。学生から「給付型の奨学金の条件が厳しすぎる」という声も挙がっているそうです。民間であれば特に所得制限を設けていない奨学金、国よりは緩めに設定している給付型奨学金もありますが、国の奨学金と比べたら枠が少ない状況です。

【自分に合った給付型奨学金を検索可能】

 2020年5月末に新たに始まった、民間の給付型奨学金を検索できる「Crono My奨学金」というサービスがあります。民間では4300以上もの返済不要な奨学金があります(2016年段階)が、情報がまとまっている所が無く調べるのが大変。それぞれの奨学金毎に受給のための条件も異なります。Crono My奨学金では自分の成績や世帯年収などの情報を入力することで、応募できる奨学金が50~100個程に絞られて表示。さらに絞り込むため、LINEを通じて株式会社Cronoの担当者に相談することもできます。私も登録してみました。営業的なLINEが送られてくることはなく、安心して検索できました。また、「毎月1回最終金曜日の20時よりオンラインでの奨学金勉強会を開催」などの紹介もあります。

 このサービスが誕生したきっかけは株式会社Crono 代表取締役の高瀛龍さん自身が奨学金の返済に苦労していることだそうです。高さんは今30代前半ですが、奨学金の返済で苦労しており、自分自身がこういう検索サービスを求めていたからだそうです。高瀛龍さんは次のように語っています。「実は近年企業や大学で、返済義務のない奨学金が増えてきているんです。ただ一方でそういった奨学金ってなかなか見つけにくくて、自分が対象のものを探しにくいという現状があったんですね。それを僕たちがデータを整理して、自分のプロフィールを登録すると、自分が申し込める返済不要の奨学金がリストアップされるようなサービスを提供させていただいてます。皆さん必要とされていたのかなと感じました。」

 昨年TBSラジオでも取り上げられていました。現在の日本は欧米に比べると奨学金事情は厳しいといわれています。もっと学びたいという学生が安心して学べる環境が必要だと思います。しかし何事も、アンテナを高くして情報収集することが大切です。