【校長ブログ】ひとかけらの勇気
先日、宝塚音楽学校名誉校長である小林公一さんのエッセイを読みました。小林公一さんの曾祖父は、阪急電鉄や宝塚歌劇団を創設した小林一三氏(1873~1957)です。
小林公一さんは、「私も失敗をたくさんしてきました。しかし、あまり思い悩みません。やってしまったことは忘れて、気持ちを切り替えて次へ進むほうがいい仕事ができる。今の仕事に一生懸命取り組んでいると、次の段階へ必ず訪れますから、くよくよと立ち止まっていなくていいのです。本当にどうにもならないような苦境に立ったら一回笑ってください。周囲からはへらへらしていると見えるかもしれないけれど、笑顔を作ってみれば心も少し晴れます。」と言っています。さらに、小林公一さんは、次のようにも言っています。「歌も力になります。私が苦しいときには、ミュージカル『スカーレット・ピンパーネル』の中で安蘭けいさんが歌った♪「ひとかけらの勇気」が響きます。いろいろとあった時にこの歌を聴くと頑張ろうという気になるのです。」実は、私も♪「ひとかけらの勇気」は好きな歌の一つです。小林公一さんのエッセイを読んだときは、歌の力の素晴らしさを改めて実感しました。
♪どうしてだろう この世の中に 欺瞞と不正 溢れている
人が自由に 歓び分かち 愛し合える至福の日は 来るだろうか
遠国(とつくに)に 嵐吹き荒れても 僕は見逃しはしない
ひとかけらの勇気が 僕にある限り
♪どうすればいい この世界から 争いの炎 消えはしない
人が築いた 心の壁を 打ち砕き解き放つ その日はいつか
強い力 立ちふさがろうと 僕はあきらめはしない
ひとかけらの勇気が 僕にある限り
♪登れない山 渡れない河 数多の障壁乗り越えて
♪たとえこの身 傷付こうとも 僕は行く 君の為に
ひとかけらの勇気が 僕にある限り
『スカーレット・ピンパーネル』は、バロネス・オルティの小説『紅はこべ』(原題:The Scarlet Pimpernel)を原作としたミュージカル作品です。1997年にブロードウェイで初演されました。日本では、小池修一郎さんが潤色・演出をし、宝塚歌劇団で2008年、2010年、2017年に上演され、私は2017年版を3回見ました。お話しは、18世紀末のフランス革命混乱期のフランスが舞台です。お話は完全なフィクションですが、逆境にめげす、理想を追い求める姿勢には感動します。テレビニュースでは、2022年2月24日に始まったロシアによるウクライナ侵攻の映像が連日報道されています。心が痛みます。この世界から争いの炎が消えない現実を前に、人が築いた心の壁を打ち砕き解き放つその日を信じて、私も「ひとかけらの勇気」の気概を忘れずに、物事に立ち向かっていこうと思っています。
南高生の皆さん
元気に挨拶してますか。 挨拶は自分を伸ばしてくれます。
他人に優しくしてますか。 他人への優しさは自分を見抜く力をくれます。
夢を諦めていませんか。 夢は今を楽しみ前進する原動力です。
志高く。